日本軽金属ホールディングス株式会社

サステナブルな輸送に貢献

新容積の配送トラックで、消費エネルギーの削減に貢献します

タイ国では、経済成長とともに小売市場も拡大を続けています。特にコンビニエンスストアは、忙しい都市生活者が増えるにつれ、利用ニーズが高まり、店舗数も急速に増加しています。そしてその店舗への商品の配送は日本と同じようにトラックが担っています。日本と違うのは、4㌧車や8㌧車などの大型のものではなく、主に小型のピックアップトラックという点です。

他方、タイ国では自動車の保有台数も急速に増加しているものの、インフラ整備が追い付いておらず、市街地を中心に慢性的な渋滞が発生しています。この渋滞の対策として1990年代から、ピーク時間における貨物車のバンコク都心部への流入規制が行なわれています。バンコクでは、車両重量が2.2㌧を越える車両は6時~9時、16時~20時は都心部へ入ることができません。このため、規制を受けないピックアップトラックが使われているのです。

しかしピックアップトラックは1㌧しか運べず、急速に増加する商品輸送の需要に応えるためには配送回数を増やすことで対応していました。そのことがさらに渋滞の要因となっており、ピックアップトラックよりたくさん運べる車両の登場が期待されていました。

フルハーフマハジャック社は、この期待に応え、トラック用の軽量ドライバン「KaruBo(カルボ)」を開発・発売しました。この商品は、2㌧トラックをベースにした車両で、都心部で24時間走行可能となりました。運べる容量はピックアップトラックの1.4倍、積載重量は2.9倍となり、配送回数も少なくなります。こうしたことを評価いただき、バンコク都心部向けセブン-イレブンの配送車両に採用いただきました。

タイ・セブン-イレブン店舗数

軽量ドライバン「KaruBo(カルボ)」

店舗

店舗

開発担当者の声

フルハーフマハジャック社
Deputy Design Department Manager
大柳 雄太さん

近年、バンコクは大気汚染が進み、以前よりも微小粒子状物質(PM2.5)の濃度が高まる日が増えました。多くの人々が環境保護の大切さを意識するようになったと感じています。タイ政府も環境保護対策を打ち出しており、自動車関連だと排気ガスや車両積載量の規制が強化されていく方針です。これからは今までよりも軽量で強度を確保できるトラックボデーが増加すると考えています。

「KaruBo」の一番の特長は、従来の同じサイズのボデーに比べ強度は同等で、かつ重量が半分であることです。これからも「KaruBo」のような、省エネルギーを実現できる商品をお届けしていきます。

お客さまの声

CP ALL社 (タイ・セブン-イレブン運営)
Logistics Assistant General Manager
Sumathe(スメート)様(左から2番目)

フルハーフマハジャック社の対応は素早く、問題に対して新しい方法を提案いただいています。「KaruBo」は他社の車両に比べて強度が高く、白いパネルは清潔感があり、CP ALL社の良い印象につながっていると思います。今後とも密にコミュニケーションができると良いと思います。

当社は物流規格を統一する方針です。トラックの荷台容積を大きくし、運行回数を減らすことで、排気ガスを減少させていきます。他にも電気自動車を導入するなどして、効率のよい物流を追求し、環境を守り、社会のお役に立てるようにしていきます。

アルミバスバーで電気自動車の軽量化に貢献します

アルミバスバー

世界各国で本格的に普及が進んでいる電気自動車やハイブリッド車は、大容量の電気を流すため大型の金属製電線「バスバー」が使われています。バッテリー、インバータ、コンバータ、キャパシタなどの部品の内部や部品同士の間に配置され、電気を流しています。

現在この「バスバー」は、電気を安定的に流すためにほとんどが銅製です。しかし銅は比重が重い金属のため、車の重量が重くなってしまうデメリットがあります。

さらに電気自動車は走行距離を延ばすために、バッテリーや他の電気製品を大型化するために重量が重くなってしまい、走行距離が延びにくい弱点があります。

そこで日本軽金属(株)は、車両用のアルミ製バスバーを開発しました。アルミ製は酸化しやすいなどの課題がありましたが、酸化を防ぐ特殊めっきを開発し、課題を克服しました。

アルミは銅と比べて重さは約3分の1です。流れる電気の量を同じにした場合、アルミ製バスバーの重量は銅製バスバーの約半分となりました。

アルミ製バスバーには電気自動車を軽くする大きな期待が寄せられています。

担当者の声

日本軽金属(株)
板事業部 電材加工ビジネスユニット
吉田 明仁さん

バスバーは従来、発電所や電気を多く使う工場などで使われる大型のものが一般的でした。私たちは、これを小型化できれば、普及の進む電気自動車用途などに対応できるのではないかと考え、アルミ製バスバー「PPAB」を開発しました。この製品は軽量なため車両に搭載した際に環境負荷低減に貢献できます。

これらの特長を活かして電気自動車はもとより広く多様な製品の開発に取り組んでいきます。

宅配ボックスでCO2を削減します

宅配ボックス

近年のインターネット通販の拡がりで宅配便の取扱個数が急速に増加しています。また、再配達の多さからドライバーへの負担がさらに増していることが社会問題となっています。利用者の便利さを損なわずに宅配の効率を上げるために、新たなしくみやインフラの整備が求められています。

(株)東陽理化学研究所は、郵便受けの製造を行なっており、最近では郵便受けに宅配便の箱が入るサイズに改良されていますが、大きな荷物には対応できません。そのため大きな荷物でも不在時に受け取れる宅配ボックスの開発が求められていました。宅配ボックスは、セキュリティを確保することや玄関先に設置されることからデ ザインや大きさも重視され、開発にはさまざまな課題がありましたが、お客さまから求められる機能やデザインを満たす製品を開発することができました。

この宅配ボックスが全国に設置されれば、再配達の無駄が軽減されます。ドライバーの負荷や環境への負荷の軽減につながりサステナブルな輸送に貢献できると考えています。

再配達のトラックから排出されるCO2の量

出所: 国土交通省(平成27年)「宅配の再配達削減に向けた受取方法の多様化の促進等に関する検 討会報告書」

お客さまの声

田島メタルワーク㈱
技術開発部 部長
矢部 篤志様

東陽理化学研究所には約35年前から板金製品の製造を委託しており、一貫生産による高品質な製品を安定して供給していただいております。

宅配ボックスは、居住者の代わりに荷物を受け取ってくれるロッカー型設備です。宅配ボッ クスがあれば再配達依頼や在宅時間の制約から開放されるため、現在のネットショッピング時代に重宝され、市場で再注目されています。

また、政府が住宅取得支援策として発行する次世代住宅ポイントの家事負担軽減設備として宅配ボックスが対象に選ばれ、今後のさらなる需要拡大を見込んでおります。