日本軽金属ホールディングス株式会社

ニュースリリース

2021/06/18 (p2021061802)(p202106180207)(p202106180208)(p202106180209)(p202106180206)(p202106180205)(p202106180202)(p202106180203)(p202106180204)(p202106180201)
ニュースリリース

令和2年度日本アルミニウム協会賞「開発賞」「技術賞」を受賞

2021年6月18日

各 位

日本軽金属ホールディングス株式会社

 

令和2年度日本アルミニウム協会賞「開発賞」「技術賞」を受賞 


 

 令和2年度日本アルミニウム協会賞に、日本軽金属グループの日本フルハーフ株式会社とFruehauf Mahajak Co.,Ltd.(タイ)の『軽量トラックボデーの開発』が「開発賞」を、日本軽金属株式会社と日軽金アクト株式会社の『最高押出速度を引き出せる押出加工設計技術』、及び日本軽金属株式会社と日軽松尾株式会社の『FSWによる締結レスシール構造の開発』の2件が「技術賞」を受賞いたしました。
  

 

「開発賞」1件

 『軽量トラックボデーの開発』

   菅原昭彦 日本フルハーフ株式会社  大柳雄太 Fruehauf Mahajak Co.,Ltd.

「技術賞」2件

 『最高押出速度を引き出せる押出加工設計技術』

   林 沛征 日本軽金属株式会社    斎藤栄徳 日軽金アクト株式会社

 『FSWによる締結レスシール構造の開発』

   堀 久司 日本軽金属株式会社    瀬尾伸城 日本軽金属株式会社
   村上 真 日軽松尾株式会社     片岡郁男 日軽松尾株式会社
   森弘将史 日軽松尾株式会社     窪田信平 日軽松尾株式会社
   石川 仁 日軽松尾株式会社     高橋賢史 日軽松尾株式会社
   横山和喜 日軽松尾株式会社     小松和樹 日軽松尾株式会社

 

<開発賞受賞:軽量トラックボデーの開発>

~日本フルハーフとフルハーフマハジャックが共同開発した『KaruBo』~

タイの首都バンコクでは、中心部の混雑緩和のため、車両重量が2.2トンを超える貨物車の流入規制があることから、1台でより多くの荷物を積んで効率よく配送したい、という要望に応えるべく、大きいボデーかつ軽いトラック『KaruBo』の開発がスタートしました。

『KaruBo』は日本で実績をもつ床材をヒントに、幅方向メンバーと床面を一体化させることで、従来のボデー床のメッキ鋼板や補強木材、連結材、鉄のボデーフレームなどをなくすことができ、床部を210㎏軽量化しました。また、アルミ形材に溝を作って結合することで、今まで時間を要していた鋼板と補強材の接着をなくすことができ、製作時間を2時間半短縮しました。こうした改善により、計300㎏の軽量化を達成するとともに、容積1.4倍、積載重量2.9倍を実現した「KaruBo」が完成しました。「KaruBo」は従来の3台分の荷物量を1台で運ぶことが可能になり、コスト削減(車両購入・維持費、ドライバー人件費など)や渋滞削減、CO2排出量の削減に貢献するとともに、アルミの採用で防錆性が向上し美観を維持できる食品輸送トラックとして、清潔感、食の安全安心感も提供しています。

 

 

 

 

 

 

日本フルハーフ㈱とFruehauf Mahajak
Co.,Ltd.が共同開発した「KaruBo」  

 




日本フルハーフ㈱
菅原昭彦



Fruehauf Mahajak Co.,Ltd.
大柳雄太

 

<技術賞受賞:最高押出速度を引き出せる押出加工設計技術>

 高速、高精度の押出、押出加工技術の体系化は押出メーカーの永遠の課題です。従来、経験則と試行錯誤の積み重ねで、押出ダイス、押出速度などを検討することが多く、より効率的に最高押出速度を検討できる押出加工設計技術の開発が望まれています。

「最高押出速度を引き出せる押出加工設計技術」は、押出加工中に発生する形材温度に及ぼす合金種、形材形状因子、ダイス構造因子、押出条件因子の影響を定量的に検討でき、個々の形材形状の最高押出速度を実現するための適切なダイス構造、押出条件の検討が可能となります。押出加工前の押出プロセスを設計する段階で、適切なダイス構造、最高押出速度を検討できることから、より効率的に押出プロセスを設計できます。また、押出工場における現場の設計ツールとして活用され、工場の生産性の向上と省エネルギー化に多大な貢献を果たしています。





           写真右:日本軽金属㈱ 林 沛征
           写真左:日軽金アクト㈱ 斎藤栄徳

 

 

 <技術賞受賞:FSWによる締結レスシール構造の開発>

~商品名:806ベースプレート~

環境対応車(電動車)向けのPCU(パワーコントロールユニット)内臓の昇圧コンバーターの構成部品の1つとして、2020年より採用、搭載されたのが、FSW※1接合技術と日本軽金属グループ独自のポアフリーダイカスト※2(PFDC)技術とを組み合わせて開発された放熱プレート「806ベースプレート」です。FSW接合による締結レスシール構造の開発は、この「806ベースプレート」の品質・機能性の向上だけでなく小型化へ大きく貢献できました。

「806ベースプレート」は、FSW技術により、フィンの取り付けを従来のボルト締結方式ではなく、ボルト座面が不要の締結レスシール構造とすることができ、アルミ異材質冷却用高放熱フィンをダイカスト品へ接合・一体化、「水密性+高放熱性+小型化」を実現させるとともに、PFDC技術との組み合わせにより、水密性の高い高品質ダイカスト品とすることができました。

 

※1:FSW(Friction Stir Welding―摩擦攪拌接合)
ツールの回転によって発生する摩擦熱で被接合材を軟化させるとともに、ツールの回転力により、接合部周辺を塑性流動させ複数の部材を一体化させる接合法。

※2:ポアフリー(Pore Free―無孔性)ダイカスト
日本軽金属グループが開発した高品質ダイカスト品が得られる特殊鋳造法。酸素を使用し、鋳巣を通常ダイカスト品と比較し10分の1以下に抑える事ができる。

  


「806ベースプレート」(緑枠がFSW接合部)

 



日本軽金属㈱

 堀 久司      瀬尾伸城 
日軽松尾㈱
横山和喜   片岡郁男                 
  石川 仁     村上 真           

    窪田信平     小松和樹
            森弘将史      高橋賢史

 


以 上

 

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令和2年度日本アルミニウム協会賞「開発賞」「技術賞」を受賞 (PDF)

 


  本件に関するお問い合わせ: 日本軽金属株式会社 広報室 TEL:03-6810-7160