日本軽金属ホールディングス株式会社

日軽金グループの
重要課題(マテリアリティ)

当社グループは、SDGsが目指す持続可能な社会の実現のために、アルミニウムに関する総合的かつ広範な事業領域を通じて貢献していきます。その中で当社グループが特に取り組むべき課題は何かを認識し、当社グループの持続的な成長および企業価値向上のための重要な経営課題としていくため、当社取締役会において『当社グループの重要課題(マテリアリティ)』を特定しています。
各課題についてはそれぞれのKPI(目標値)を設定し、具体的なアクションプランに基づいてその達成に取り組んでいます。

重要課題の特定ステップ

STEP1

重要課題候補群の抽出

重要課題の特定に先立ち、広範な事業領域を抱える当社グループの活動が影響を与える範囲を把握し、関係する社会課題の認識に漏れがないよう、初めに当社グループのバリューチェーンが及ぶ範囲の特定、確認を行いました。その後、SASB、GRI、SDGs、ISO26000等、国際的なガイドラインの要請事項をもとに、400近いESGに関する様々な社会課題をリストアップし、各ステークホルダーや当社グループに与える影響の分析から重要性評価を行い、最終的には31項目のショートリストに集約しました。

STEP2

重要性の評価

集約したショートリスト項目について、社会にとっての重要度と当社グループの中長期的な企業価値創造における重要度の両面から改めて重要性の評価を行い、重要課題の特定を行いました。

STEP3

妥当性・網羅性の確認

ショートリストの重要性評価にあたっては、さまざまな分野で活躍されている外部有識者の方々にも評価をいただき、そのご意見を参考にしながら改めて検討、見直しを行い、その妥当性および網羅性について確認しました。

STEP4

重要課題の特定

特定された重要課題を5項目の重要課題テーマとして再分類し、当社CSR委員会、グループ経営 会議での審議を経て、取締役会で承認しました。

日軽金グループの5つの重要課題テーマ
  • 地球環境保護
  • 持続可能な
    価値提供
  • 従業員の幸せ
  • 責任ある調達・
    生産・供給
  • 企業倫理・
    企業統治

重要課題一覧表

地球環境保護

重要課題

  • 自社での温室効果ガス削減(スコープ1・2)
  • サプライチェーンでの温室効果ガス削減(スコープ3)
  • 気候変動への対応(TCFD)
  • 水ストレスへの対応
  • 環境汚染の防止

選定理由、リスクと機会

当社グループで使用するアルミニウムは全量が輸入品ですが、その製錬工程では大量の電力が必要であるため、スコープ1~3を含めた温室効果ガス削減への取組みは喫緊の課題です。加えて、自然環境や生物多様性への配慮が、自然資本を利用した事業活動を持続的に行う上で重要であるため、重要課題テーマの一つとしています。

主なKPI/目標/実績/評価/取組み課題

KPI
(評価指標)
目標値※1
2023年度
実績
当社評価
取組み課題
スコープ1・2 売上高原単位(国内)
2013年度比△30%
2050年度:実質ゼロ
0.87㌧‐CO2
/百万円
省エネの取組み継続、燃料転換・電化推進
スコープ3 売上高原単位(国内)
2013年度比△30%
2050年度:実質ゼロ
5.11㌧‐CO2
/百万円
アルミ展伸材の水平リサイクルの推進、グリーンアルミ使用
環境事故および苦情の件数
0件の継続
環境事故18件
環境苦情18件
×
対応策のグループ展開、類似事故発生『予防』および『再発防止』
持続可能な価値提供

重要課題

  • 再生可能エネルギーの利用拡大への取組み
  • 低炭素商品・サービスの開発、提供
  • 循環型経済・社会の推進
  • 強靭なインフラ整備、提供
  • 食糧の安定供給への貢献
  • イノベーションによる未来づくり

選定理由、リスクと機会

当社グループの商品群は、再生エネルギー由来や、リサイクル性の高い部材への切り替えといった需要の高まりに応えることが可能であり、その特長を活かすことで、自動車や輸送、電気・電子、社会インフラといったさまざまな領域へ持続可能な価値の提供を行うことができると考えているため、重要課題テーマの一つとしています。

主なKPI/目標/実績/評価/取組み課題

KPI
(評価指標)
目標値※1
2023年度
実績
当社評価
取組み課題
環境対応車向け売上高伸長率
(国内、2021年度比)
300%増
50%増
環境対応車向け新商品への研究開発体制の強化
自動車市場に向けたグループ全体での総合提案力の強化
外部スクラップ購入比率
(グループ全体)
30%超
38%
原料スクラップの安定調達体制構築
外部連携強化による水平リサイクルの推進
従業員の幸せ

重要課題

  • 労働の安全衛生
  • 働きがいのある職場づくり
  • ダイバーシティ&インクルージョン
  • 人財の確保、育成

選定理由、リスクと機会

製造業として、『安全と健康がすべてに優先する』を社内スローガンとしている他、近年ではメンタルヘルスへのケアを推進しています。企業グループの価値向上のためには、事業の担い手である従業員の幸せが大切であり、ワークライフバランス、多様性と包摂、人財の育成などが必要であることから、重要課題テーマの一つとしています。

主なKPI/目標/実績/評価/取組み課題

KPI
(評価指標)
目標値※1
2023年度
実績
当社評価
取組み課題
休業災害件数
0件の継続
15件
×
5ゲン(現地・現物・現実・原理・原則)による災害防止と類似災害防止
従業員エンゲージメントスコア(国内)
3.6以上
3.42(NLM※2
女性管理職比率(連結)
2024年度: 7%以上
2030年度:10%以上
5.8%
職場環境の改善、整備
日軽金プライド、社会貢献プロジェクト活動
NLMみらい活躍プロジェクト
グループD&I部会の活動
くるみん、えるぼし認定の取得促進
男性育児休業取得率(国内)
2024年度: 30%
2030年度:100%
68.2%
総合職の女性定期採用比率(NLM※2
20%以上
19.2%
次期経営者層研修の単年度修了者
10人以上
13人
グループ合同採用
グループ階層別研修
新任管理職研修の修了率
100%
100%
責任ある
調達・生産・供給

重要課題

  • 安全、安心な商品・サービスの提供
  • 人権の保護、尊重
  • 安定したサプライチェーンの構築
  • 変化に柔軟で強靭なバリューチェーン

選定理由、リスクと機会

当社グループの商品群はさまざまな分野に使用され、広範なサプライチェーンを形成しています。品質の維持向上に加え、各種差別や強制労働の禁止などの人権の尊重、地政学リスクの影響を抑えた安定調達等、BCPの観点を含めた取組みが、自社のみならずサプライチェーン全体の持続可能性に寄与すると考え、重要課題テーマの一つとしています。

主なKPI/目標/実績/評価/取組み課題

KPI
(評価指標)
目標値※1
2023年度
実績
当社評価
取組み課題
重大品質問題発生件数
0件の継続
38件
×
再発防止活動の徹底と未然防止活動体制の確立
現場から声をあげられる活動の推進と自浄作用の促進
救済機構への加入手続き進捗率
100%
100%(加入済)
サプライチェーンにおける人権侵害に対する救済体制の整備
CSR調達方針の理解と賛同を確認するアンケートに対する主要サプライヤー※3の回答率
100%
78%
共通フォーマットによるCSR調達アンケートの実施
BCPトレーニングの実施件数
2件
1件
BCPトレーニングの実施と整備
企業倫理・企業統治

重要課題

  • ガバナンスの強化
  • コンプライアンス体制の強化

選定理由、リスクと機会

持続可能な事業運営のために、コーポレート・ガバナンスの高度化、さらなる充実に加え、株主・投資家のほか、多様なステークホルダーとのエンゲージメントの推進が、社会的な価値、企業価値の向上に有用であると考えます。さらには、不正・不祥事の未然防止が、自社だけでなく社会に対する負の影響の防止に有効であると考え、重要課題テーマの一つとしています。

主なKPI/目標/実績/評価/取組み課題

KPI
(評価指標)
目標値※1
2023年度
実績
当社評価
取組み課題
従業員向けESG啓発活動の実施件数
4件
4件
従業員向けESG啓発活動(社内報へのコラム寄稿)
取締役会の自己評価実施回数
1回/年
1回
定期的な自己評価に基づく課題発見と改善による取締役会機能の実効性向上
社外役員による事業所視察回数
2回/年
2回
社外役員への事業所視察の機会提供等による当社グループに対す る理解の深化と取締役会審議のさらなる活性化
役員・従業員のコンプライアンス教育受講率(連結)
年間80%以上
32%
学習インフラの整備と教育コンテンツの製作・配信
Leaning Management System(LMS)のグループ展開

※1 特に言及のないものは2030年度目標
  ※2 日本軽金属㈱単体
  ※3 グループ総購買金額カバー率80%を満たすサプライヤー