日本軽金属ホールディングス株式会社

サステナブルな未来に貢献

交通事故を減らしたい

日本国内の有料高速道路の約3割を占める暫定二車線区間の中央分離帯は、大部分がゴム製のポールとなっています。このような道路では、反対車線への飛び出し事故の発生リスクが高く、一度事故が起こると大事故になる可能性が高く、長い時間車両通行止めになってしまいます。

(株)住軽日軽エンジニアリングは、こうした暫定二車線区間の有料高速道路での交通事故軽減のため、アルミ合金製の2本のビームを取り付けた支柱をアンカーで固定する「車線区分柵」を開発しています。

この車線区分柵は、設置幅が狭いため狭小幅にも設置可能で、支柱も前方や側方を見通しやすい高さとなっていることから、十分な視界が確保されています。また、部材をボルトで連結する構造のため、重機を使用しなくてもどこでも人の力で設置することができ、広く普及することによる事故軽減が期待されます。

開発担当者の声

(株)住軽日軽エンジニアリング
営業企画部 新商品推進チーム チーム長
冨岡 仁計さん

今回の開発では、これまで積上げてきた経験と技術の応用だけでは足りず、より柔軟な発想が求められました。弱い支柱の設計やアスファルトの物性把握が課題となっていますが、何度も衝突試験を繰り返すことでアスファルトの特性を把握しつつ開発をすすめています。今後も製品開発を継続することで交通事故の軽減に貢献していきます。

未来の産業基盤をつくる

3Dプリンター試作品

日本軽金属グループでは、3Dプリンター用の素材としてのアルミ合金の研究開発を行っています。その中で日軽金グループの持つ粉末製造技術、急冷凝固技術が最大限に活かせると考えています。

3Dプロジェクトリーダーのお話

日軽金アクト(株)
3Dプロジェクト リーダー
久保田 泰弘さん

Q. 3Dプリンターの材料として、アルミニウムはどんな分野で活躍が期待されますか?

A. あらゆる産業分野での活用が期待されます。従来の加工では製作できない形状や、粉末合金・レーザーによる溶融焼結の急冷凝固がこれまでにない合金特性を可能にします。今後、グループの知見を活かした合金開発技術などでさまざまな分野への可能性が大きく拡がると考えています。また、これらの技術を活用すれば、これまで以上の軽量化・高機能化を実現できることから、省エネ効果の高い部品の実現など、環境面でも社会に貢献できるものと考えます。

Q. 3Dプリンタービジネスに関して一番大変なことは何ですか?

A. 3Dプリンターは、新しい技術であることから、前例や文献などが少なく、また、規格や基準もないため、一から全てを構築していく必要があります。広大な荒野を一から耕すイメージですが、その分大きなやりがいもあると感じています。