日本軽金属ホールディングス株式会社

品質マネジメントシステム

 当社グループは、「グループ内外との連携を深化させ、お客様へ多様な価値を継続的に提供する」ことを経営方針で定めています。
 そしてグループ品質方針を「特長ある製品とサービスを確実な品質および安全性と共に提供することにより、お客様の満足と信頼を獲得する」としています。
 このグループ品質方針や毎年の課題を踏まえて、年度ごとに品質方針を決定しています。品質方針は、製品安全・品質保証統括室(以下、「品証統括室」)で検討し、グループ品質委員会で決定します。
 当社グループの重要課題テーマである「責任ある調達・生産・供給」から特定した重要課題「安全、安心な商品・サービスの提供」を目標とした品質方針になっています。
 さらに当社グループは「品質保証・管理規則」を定め、顧客満足を事業活動の基本行動原理として、品質保証・管理活動の徹底を図っています。

 

2022年度品質方針

1. 法令遵守・品質リスク管理の強化により、失われた社会的信用を回復し、確立する。
2. 商品・サービスの開発から量産・アフターケアまでの各段階で、現地・現物と原理・原則の徹底に基づき、
 安全性・品質を確保する。
3. お客様の要望を的確に把握し、それを上回る安全性・品質を提供することにより、満足と信頼を獲得する。
4. 社会的信用確立とグローバル展開リスク削減のため、対応可能な品証スキルを持った人財を育成する。

 

体制

当社グループの品質保証・管理活動推進のため、「品質委員会」を年2回開催しています。品質委員会の委員長を当社社長とし、関係会社社長や事業部長が品質委員として参加しています。
 またグループ各社の品質保証部門の部門長が参加する「品質保証実務担当者会議」を年4回開催しています。この会議では実務者のレベルアップのため、課題の共有や改善活動の情報共有が行われています。

 

品質保証体制の独立性を確保

当社グループでは、品質保証部門の独立性を確保するため、当社社長直轄の品証統括室を設置し、当社グループのすべての会社・部門の品質保証部門を統括しています。品証統括室は、独自の決定ができ、業務命令が出せる(例:品質監査、品質総点検など)などの権限を有しています。また、グループ会社・部門ごとの品質保証部門も製造部門から独立した組織となっており、独立性が確保された運営を行っています。

品質保証体制図

 

計画

2022年度活動計画

1. 法令遵守・品質リスク管理の強化により社会的信用を確立する

グループ品質委員会等での啓蒙

法規格適用製品の確認

製品含有化学物質管理システムの運用を推進

品質総点検の実施

重大品質問題速報による迅速な対応

2. 商品の安全性・品質を確保する

新規ビジネスの品質保証体制確立

グループ各社の新規商品立上げ時における支援

3. お客様の満足と信頼を獲得する

品質監査の実施

前年度品質総点検結果の検証と課題フォローアップ

個別・集合教育の開催

好事例コンテストの実施

品質自主研(品質保証能力向上プログラム)

4. グローバル展開リスクを削減するため対応可能な品証スキルを持った人財を育成する

海外重要拠点の改善の取組み

国内マザー工場による海外工場への支援

 

2022年度取組みと評価

品質監査

品証統括室は、海外を含むすべての事業所を対象に、年1回の品質監査を実施しています。
 2022年度は国内48拠点で実施しました。品質監査では、クレームの管理状況、新規商品の立上げプロセス、お客様と取り交わしている納入仕様書やお客様へ提供している検査成績書の作成・発行プロセスなどについて確認しました。重大な指摘事項はありませんでしたが、86件の指摘を行いました。例えば、クレーム対応の中で、外部委託先に起因する不具合に対して、実際に行っている外部委託先とのやりとりのフローが明確になっていなかったことを指摘としました。これらの指摘に対して、是正案を当該拠点で作成し、品証統括室で是正内容の有効性・適正性を確認した上で是正を行い、指摘した事項はすべて是正が完了していることを確認しています。
 また、各拠点の品質管理のレベルアップを図り、より良い管理状態とするための提案を行いました。例えば、クレーム件数は低く抑えられていましたが、クレームゼロを目標としており、それを達成するためには、再発防止策に加え水平展開など、未然防止の対策まで行うことを提案としました。

品質監査における指摘事項の分類

  • 品質監査における指摘事項の分類

品質監査の流れ

クレーム情報の共有と活用

 当社グループでは、品証統括室がクレーム情報を各社・部門から収集し、発生状況をモニタリングしています。また、発生したすべてのクレームについて原因を分析し、グループ品質委員会で展開し、情報を共有しています。
 人身に関わる欠陥、リコールなどの重大な品質問題が発生した場合、さらに2022年度からは発生する可能性がある段階で、責任の所在に拘わらず情報を速やかにグループ内に展開することをルール化して運用しています。
 また2022年度には重大な品質問題の定義を追加して、JIS違反等公的規格に不適合が発見された場合も報告することをルール化しました。その結果、2022年度は「JIS違反等公的規格に不適合」としての12件の重大品質問題を含め、21件の重大品質問題速報による報告がありました。

 

重大品質問題速報件数

  • 品質速報件数

 

好事例コンテスト

各事業部門や関連会社で取り組んだ改善事例について情報共有し、水平展開の可能性を探る「好事例コンテスト」を実施し、具体的な改善事例を通した品質スキル向上を推進しました。
 応募事例の分類としては、IoT推進が増えている傾向にあり、検査結果の自動取り込みや品質に関わるシステム化の増強が認められました。
 2022年度 応募事例数:32件

  • 品質速報件数

 

サステナビリティ