日本軽金属ホールディングス株式会社

品質マネジメントシステム

品質保証・管理活動の方針

日軽金グループは、品質方針に基づき、品質保証・管理活動を推進しています。また、特に重要な項目については運営方針を定め、積極的に取り組んでいます。

品質方針

特長ある製品とサービスを確実な品質および安全性とともに提供することにより、お客さまの信頼を確保する

2020 年度活動方針

1. 製品・サービスの開発から量産までの各段階で現地・現物と原理・原則の徹底に基づき、安全性・品質を確保する。
2. お客様の要望を的確に把握し、それを上回る品質・安全性を提供することにより、満足と信頼を獲得する。
3. 法令遵守・品質リスク管理の強化により、社会的信用を確立する。
4. グローバル展開リスクを削減するため、対応可能な品証スキルを持った人財を育成する。

 

品質マネジメント体制

(1)品質保証部門の独立性確保

品質保証部門は、その独立性を確保するため、日軽金HD社長直轄の製品安全・品質保証統括室(以下、品証統括室)として設置され、日軽金グループのすべての会社・部門の品質保証部門を統括しています。また、それぞれの会社・部門の品質保証部門も独立性を確保した組織として運営されています。

品質保証部門の独立性

  • 品質保証・管理活動のための組織体制

(2)品質保証能力向上のための活動

日軽金グループは、品証統括室が品質リスクの主幹部門となり、リスクを顕在化・低減しながら、しっかりとビジネス機会につなげていく活動に取り組んでいます。

①グループ品質委員会

日軽金グループでは、各社・部門の品質保証責任者が集まる「グループ品質委員会」を毎年2回(4月・10月)開催しています。委員会では、グループ内の品質保証に関する情報や改善における好事例の紹介などの品質に関する情報を共有するとともに、委員間の議論などを通じてグループ全体の品質保証・品質管理のレベルアップを図っています。

②クレーム情報の共有と活用

製品やサービスは量産開始前の検討段階で問題点の発見と対策を確実に講じることで、お客さまへ安全で安心できる製品やサービスの提供が可能となります。しかし、確認が必要な項目が評価しきれずに検討段階での問題点をすべて解決しきれておらず、設計・開発要因のクレームが毎年20%程度の割合で発生しています。さらに、製造要因の中にも検討段階の検証不足による指示の不備でクレームが発生している事例もあり、全体の半数以上の割合を占めています。
 日軽金グループでは、品証統括室がクレーム情報を各社・部門から収集し、発生状況をモニタリングしています。また、発生したすべてのクレームについて原因を分析し、グループ品質委員会で展開して情報を共有しています。

クレーム要因別の金額比率

  • クレーム要因別の金額比率

(3)重大品質事項に関する報告体制

日軽金グループは、人身に関わる欠陥やリコールなどの重大な品質問題が発生した場合、責任の所在に関わらず情報を速やかにグループ内に展開することをルール化して運用しています。

2019年度は7件の報告がありました。発生した7件の原因を分析した結果、主に製品・サービスの開発・検討段階での評価不足や、お客さまからの要求仕様が不明確なため作業指示が不足していたことが原因でした。

重大品質事項に関する報告件数

  • 重大品質事項に関する報告件数

速報・リコールの内容(2019年度)

速報・リコールの内容(2019年度)

(4)安全で品質が担保された製品・サービスを提供するための取組み

日軽金グループでは、クレームの大半が量産前の確認不足により発生しています。このため、量産前の品質チェックが確実に実施され、問題なく量産をむかえることができていることを確認するため、審査会議を開催して安全性、品質、法規制の適合を多面的に評価しています。

2019年度は新しい製品やサービス、既存の製品やサービスを変更したものを上市するために92件の審査会議を開催しました。

審査会議開催件数

  • 審査会議開催件数

品質保証能力向上のための活動

(1)品質監査

日軽金グループは、グループ内のすべての会社および製造拠点を毎年1回訪問し、品質監査を行っています。品質監査では、ISO9001、各法令や規制に基づく品質マネジメントシステムの有効性と妥当性、実際に取り組んでいる製品・サービスの管理状態などを確認しています。また、グループ内で定めている判断基準に基づき定量的な評価を行い、是正が必要な項目の真因分析を行い、強みに変えていく活動に取り組んでいます。
 2019年度は、国内46拠点、海外16拠点を監査しました。2019年度の監査結果では、各社・部門が正しいルールに基づいて運用されている比率が計88%と、品質保証・管理水準が年々高まってきています。他方、海外製造拠点では、自社の開発・設計手順が明文化されていない拠点が見つかり、是正しました。

品質監査結果 評点の比率

  • 品質監査結果 評点の比率
  • 品質監査の様子(ニッケイエムシーアルミ(タイ)社)
    品質監査の様子(ニッケイエムシーアルミ(タイ)社)

(2)品質総点検

日軽金グループは、毎年11月の品質月間に合わせ、自分たちが取り組んでいる品質活動や製品・サービスが問題なく生産・出荷されていることなどを点検する「品質総点検」を実施しています。
 2019年度は、クレーム発生要因や品質監査の結果や、ものづくりの源流管理を徹底するために、以下の内容で総点検を実施しました。
 点検結果より、自部門で取り組むべき基準・ルールが制定され、それに基づく活動が行われていることが確認できました。一部では管理すべきルールが制定しきれていない部門があり是正しました。

総点検の内容(2019年度)

 1) 新規製品・サービスの受注と4M変更管理が必要な段階で評価が実施されているか
 2) 顧客要求仕様などの対応が審査会議で確実に確認されているか

総点検方法

受注や4M変更時の情報のインプットから製造・サービス実施部門への展開手順が整備されていることを確認する。
展開手順に沿って運用していることを、活動記録を確認して点検する。
 

品質保証に関するガイドライン

昨年日本の製造業で顕在化した品質問題については、アルミニウム業界でも例外ではありません。(一社)日本アルミニウム協会では「品質保証に関するガイドライン」が策定されました。このガイドラインは「不適切行為を発生させない・発生していない状況を継続させる」を目的としており、日軽金グループもワーキンググループメンバーとしてガイドライン策定に参加しました。
 現在、ガイドラインに準拠するためにグループ内での現状調査を継続的に実施し、課題の整理、対策に取り組んでいます。まずは市場、お客さまへの流出を確実に抑えるために、今後も試験・検査が正しく適切に運用できるように取り組んでいきます。

 

品質人財の育成

(1)品質保証能力向上プログラム(品質自主研)

日軽金グループでは、品質の改善活動の一環として「品質自主研」を毎年開催しています。品質自主研では、グループ内の工場を道場とし、実際の製品や製造工程を題材にして品質改善活動を行い、品質管理の向上や品質保証の確立のための考え方や手法を学びます。各社・部門でも小集団活動やQCサークルなどの活動が行われていますが、部門の垣根を飛び越え、今まで経験していなかった工程の改善に取り組むことで、新たな気づきが得られる機会になっています。改善対象となる製品・サービスやその工程の現状把握を行い、どのような問題が発生しており、どのような姿であるべきか、目標を関係者で共有し、さまざまな改善に取り組む活動です。開催した部門には改善効果を生むこと、改善に取り組んだメンバーには改善スキルが身に付くことを目的としています。品質保証・品質管理に必要な知識・ツール・経験は扱っている製品やサービスが異なっても、世の中やお客さまから何を求められているのかを理解し、しっかりと現状を把握することで、改善につなげていくことができます。

(2)集合研修による人財育成

日軽金グループでは、品質人財の継続的な育成のため、2019年度は「品質管理基礎教育」や「ISO9001内部監査員養成研修」に加え、自動車産業で推奨されている規格IATF16949:2016の考え方をグループ内へ拡げていくための「顧客要求事項を満足するために求められる考え方と仕組みづくり」をテーマにした研修を開催し、約50名が参加しました。研修では、ISO9001の要求事項に加え、より深化した考え方を学ぶことができ、自社・部門の改善へつなげていく機会となりました。

(3)品質人財交流

日軽金グループでは、品証統括室でグループ会社より派遣された人財を受け入れ、実際の業務を通じてグループの品質保証を担える人財を育成する活動を行っています。この活動は、品質事故や不正が発生しないよう、品質保証の意識を高めることを目的として2018年より開始しました。普段は所属する部門・拠点の品質保証を担っている従業員が、他の製品・サービスを見たり、グループ全体の品質保証体制について考えたりしていく中で、知見を増やし仲間を作って使命を実感する充実した機会となっています。

第1期部員のコメント

北添 賢一日軽形材㈱
 技術部 部長
 北添 賢一



一番印象に残ったこと

品質月間において、リスクを抽出することは今までも取り組んでいたが、各部門の改善事例などのよい情報をグループ内に拡げていける初めての機会面の取組みとして、好事例コンテストを立上げたこと。

一番苦しかったこと

品証統括部がグループ全体の品質保証をマネジメントしていくために、幅広い業務を行うことに苦労した。慣れない作業のため日程が大幅に遅れ、関係者に迷惑をかけてしまったこともあった。

活動から気づいたこと

ものづくりの流れで、上工程の源流に近い部門と下工程のお客さまに近い部門とでは品質に対する温度差があり、管理レベルも異なっていると感じた。その中でも、世の中やお客さまには絶対に迷惑をかけないように、自社の品質保証レベルをより高めていく必要があると感じた。

 

田中 幹夫日本軽金属㈱
 板事業部品質保証グループ
 グループリーダー
 田中 幹夫


一番印象に残ったこと

品証統括部の活動を通じて各事業所を訪問し、さまざまな業界や商品・サービスを取り扱っていることを改めて知ることができ、それぞれの品質保証の方法や考え方の違いもわかった。日軽金グループの裾野の広さを上手に活用して連携を深めれば、さらに進化できると感じた。

一番苦しかったこと

品証統括部の活動では、工場での改善活動と違って目に見える形で効果が表れることが少ないため、成果を実感することが難しいと感じた。また、ものづくりの現場から遠ざかるため、世の中やお客さまなどのニーズや最新の状態を把握することが困難だった。

活動から気づいたこと

日軽金グループのさまざまな事業所を見ることで、自分が捉えていた品質面だけに限らず、ものづくりの評価におけるものさしの幅が広がった。また、自部門の外に出たことで、自部門のよい取組みや不足している取組みが改めてわかった。

 

第2期部員からのコメント

抱負

前の職場で技術部門から品証部門に異動したとき、ものの見え方がまるで違うことを知りました。本活動でも同じようなことがあると考えていますので、品証統括部の立場からグループ内の各工場がどのように見えるのかという点を意識しながら学んでいきたいと考えています。

この2年間で期待すること

グループ全体の品質保証を学ぶよい機会ですので、よい点があれば自部門に持ち帰り提供することを積極的に行い、感受性を高めていきたいと考えています。

大瀧 崇雄

(派遣元) 日軽熱交㈱
 品質保証部
 大瀧 崇雄

 

製品・サービスの提供における法令違反件数

2019年度は、製品・サービスの提供において、法令違反はありませんでした。

 

CSRの取り組み