分析・試験体制
クロスチェック
日軽金グループは、アルミニウムおよびアルミニウム合金を使用した製品を主に製造・販売しています。アルミニウムそのものはやわらかい金属ですが、シリコン、鉄、銅、マグネシウムなどの他の金属元素を添加したり、熱処理をしたりすることにより、さまざまな特性を持つアルミニウム合金に生まれ変わります。その添加量は、百分の一から百万分の一単位での管理が必要です。また、欧州のRoHS指令※1やREACH規則※2などにより、特定の元素が含まれていないことを保証する必要もあります。そのため、添加元素が適量に配合されているか、、特定の元素が含まれていないかを確認するために「発光分光分析法」という方法を用いて分析を行います。また、製造されたアルミ合金がお客様の要求されている所定の性能を有しているかを確認するために、引張強度や伸びなどの機械的性能を確認する「引張試験」を行います。
これらの試験はそれぞれ専用の機器を使いますが、百万分の一単位の成分を管理するためには、機器そのものの誤差も問題になります。そこで、こうした誤差も見逃さず、正確性を確保するために、毎年グループ国内・外の拠点間で、クロスチェックを実施しています。クロスチェックとは、同じ条件同じ材料に対して複数の拠点で同じ分析・試験を行ってその差やばらつきを確認することです。その結果を各拠点へフィードバックし機器類の補正に反映させることで、分析結果の正確度の向上につなげています。クロスチェックの全体の結果については、グループ品質委員会で報告されます。
2019年度のクロスチェック結果は、発光分光分析15拠点、引張試験16拠点で実施し、問題のある拠点はありませんでした。クロスチェックにおいて、主管部署としての役割を担っている日本軽金属(株)グループ技術センターは、日軽金グループの研究開発拠点として研究開発を行っている一方、分析・材料試験グループが元素の分析・化合物の同定、形態観察・結晶構造解析・表面分析、環境分析、材料試験などの各種分析を行っており、グループ唯一のJIS Q17025認定試験所です。
(2020年10月 更新)
- ※1 R oHS指令:「 電気・電子機器の特定有害物質使用禁止(RoHS:Restriction of the use of certain Hazardous Substances in electrical and electronic equipment)指令」の略称
- ※2 REACH規則:「化学物質の登録、評価、認可及び制限(Registration, Evaluation, Authorisation and Restriction of Chemicals)」の略称
日本軽金属(株)グループ技術センター
JIS Q17025試験所認定証
発光分光分析試験の様子
引張試験の様子
クロスチェックの結果(引張試験)

担当者の声

日本軽金属(株) グループ技術センター 分析・材料試験グループ
材料試験担当リーダー 望月 浩行さん
軽金グループでは、分析作業の違いによる誤差をなくすために引張試験の自動化を進めていますが、自動化によるメリットとデメリットを理解して進める必要があります。例えば、自動化することでブラックボックス化された部分については、どのプロセスが自動化されたのかを理解できるような教育を行う必要があります。そこで、グループ内で引張試験に携わる人を対象に定期的な勉強会を計画しています。勉強会の中では、引張試験の原理・原則から最新の試験機の動向などを学ぶ場として考えています。
担当者の声

日本軽金属(株) グループ技術センター 分析・材料試験グループ
化学分析担当リーダー 細路 康弘さん
クロスチェックで発光分光分析を担当しました。業務の中で、お客さまに信頼される確かな分析情報を提供することを一番に考えています。
クロスチェックでも、分析結果は勿論のこと分析痕が適切であるかなど細部にわたって確認を実施しています。
分析自体は機械が行いますが、その機械を操作・設定するのは人ですので、今後は発光分光分析の勉強会を行ない、グループの技能レベルの向上に努めていきます。
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- トップメッセージ
- 価値創造プロセス
- 統合報告書/CSR報告書
- 事業を通じた取組み
- 新橋移転プロジェクト(2020年度特集)
- アルミでサステナブルな社会へ(2019年度特集)
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- ツナグを創るNikkeikin(2017年度特集)
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- もっと快適に、もっと軽やかに、もっとアルミニウム(2014年度特集)
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