日本軽金属ホールディングス株式会社

サプライチェーンマネジメント

方針・考え方

当社グループは、「グループ内外との連携を深化させ、お客様へ多様な価値を継続的に提供する」ことを経営の基本方針の一つとして掲げています。お客さまへ継続的な価値提供を行うには、日々変化する環境に即時・柔軟に対応していくことが必要不可欠です。そこで、当社グループでは「変化に柔軟で強靭なバリューチェーン」と「安定したサプライチェーンの構築」の2つを重要課題として特定し、責任ある調達・生産・供給を目指しています。これらを実現していくために、当社グループの購買部門ではCSR調達方針を掲げ、サプライヤーとともに法令遵守・人権尊重・環境保全・製品サービスの安全性等、CSRに配慮した調達活動を推進しています。

さらに、当社グループでは2022年3月よりパートナーシップ構築宣言に参画し、サプライヤーとともに成長できる持続可能で良好なパートナーシップの構築に努めています。

CSR調達方針

当社グループの購買部門では、右記のようなCSR調達方針を掲げ、調達活動を行っています。このCSR調達方針の浸透のため、購買担当者会議を半期ごとに開催しています。本会議では、当社グループ27社の購買担当者が一堂に会し、調達情報、調達課題、CSR調達に関連した事項の情報共有に努めています。加えて、不正防止のためのワークショップを実施し、調達コンプライアンスの向上に努めています。

また、サプライヤーへの啓発とサプライチェーンの強化をすべく、サプライヤーへ向けたアンケートを実施し、サプライチェーンの現状把握を行っています。

  1.公平・公正な調達
  2.反社会的勢力の排除
  3.調達コンプライアンス
  4.含有化学物質管理
  5.人権・労働環境・安全衛生への配慮
  6.BCP(事業継続計画)への取組
  7.SDGsへの取組

体制

当社グループは多面的な事業運営を行っており、購買品目も多岐にわたります。このため、購買体制は事業分野ごとの自律を基本としながら、緩やかなグループ連携を行っています。あわせて、人財交流による業務連携の強化も行い、グループとしての調達力を高めています。多様な視点から調達戦略を立案・遂行し、コスト低減やリスク管理を進めるとともに、責任ある調達の実現を図っています。

2024年度の取組み

購買部門を取り巻く調達環境は、「品質、コスト、納期」(QCD)を軸としたサプライチェーンマネジメント(SCM)に加え、地球温暖化や人権問題などの環境・社会課題に対して持続可能性に配慮したSCMの確立が必要性を高めています。また、エネルギーをはじめとした各種マーケット価格の高騰や脱炭素対応にともなう価格上昇(グリーンインフレ)、潜在的地政学リスクにともなう調達リスクなど、調達を取り巻く環境は日々変化しています。これらの問題に柔軟に対処できるよう、レジリエントなSCMを構築する必要性も高まっています。そこで、2024年度も以下のような調達活動を行いました。

変化に柔軟で強靭なバリューチェーン

有事に備えた調達先の多様化

当社グループでは日々変化する地政学的リスクや市況変動に備え、特定地域への依存を避ける
 体制づくりを進めています。

  • 従来産地以外の新規ソース開拓
  • 既存サプライヤーの見直し・分散
  • モノポリー購買の複数購買化

このような施策により、安定したサプライチェーンの構築を進め、リスク顕在化時の被害の
 最小化を進めています。

オペレーションの工夫によるBCPの強化

突発的な供給障害に備え、調達体制の柔軟性と初動対応力を高めています。

  • 「顔の見えるサプライヤー」との年間契約による安定供給
  • 値決めのフォーミュラ化による市況リスク抑制
  • リスクアラートシステムの導入

事前の想定と準備に基づいて対応を行うことで、抗堪性の高い強靭なサプライチェーンの構築に
 注力しています。主原料であるアルミ地金調達においては、品質・納期・社会的責任・低炭素を
 はじめお客さまの需要にお応えできるよう弊社製造ノウハウに基づき国内外からの複合的な調達
 体制を布いて、各種リスク低減に注力した能動的なオペレーションを行っています。

  • アルミメジャーとのテーラーメイド原料の長期契約・提携の深化
  • リサイクルプロダクトの用途開発と発展
  • BUとの連携に基づいた調達戦略の決定と戦略的在庫管理

さらにカーボンニュートラル社会の実現に向け、当社グループでは低炭素原料の調達や
 リサイクル活動を強化し、持続可能な社会への貢献を目指しています。

  • アルミニウムスクラップの使用比率向上を目指し、購買部門に加え営業・技術部門と
     連携した水平リサイクルを推進
  • 国内におけるアルミニウムスクラップの市中流出量の減少に対応し、海外からの調達への
     シフト・拡大を実施
  • グループ内での回収ルートを強化し、調達先の多様化を推進

今後もカーボンニュートラルに配慮した調達に取り組み、再生可能エネルギーやリサイクル
 由来の原材料調達の推進を通じて、持続可能な社会への貢献を目指します。

安定したサプライチェーンの構築

2024年度サプライヤーアンケート実施結果について

品質・環境・社会的責任の観点から、当社グループでは、品質・環境・社会的責任の観点から、顧客満足と信頼の維持に努めるとともに、購買部門を中心にサプライヤーへの啓発や連携強化にも取り組んでいます。
 その一環としてサプライヤーアンケートを実施し、状況把握と課題の抽出に取り組んでいます。2024年度はアンケート調査などを元に状況分析をする一方、地政学リスクやパンデミックなどへの対策を講じることで強靭なSCMの構築を継続して進めました。
 2024年度サプライヤーアンケートは、集中購買品のサプライヤーの約480社(カバー率:96%)を対象として実施しました。
 前年度に引き続き、2024年度もウイグル人権防止法や対中国に関するリスク対応についてのアンケート設問を設けました。「社会的・国際的に、深刻な人権侵害が懸念される国および地域を把握し、適切な管理」の有無を問う設問に対し、「適切に管理している」と回答したサプライヤーは約50%でした。今年度は回答選択肢を見直し、「管理していない」と「自社の原材料・製品等に対象となるものがない」に分けて設問した結果、単純に管理体制が未整備であるサプライヤーは約15%であることが明確になりました。
 その他にも、人権問題への対応に関する設問「自社の姿勢として人権擁護等に配慮していますか?」については「人権方針を策定しており、従業員に対する啓発活動を行っている」と回答したサプライヤーが前年の58%から62%へと、約4ポイント増加しました。大規模災害を想定したBCP(事業続続計画)を問う設問では、「既にBCPを策定している」と答えた企業が前年の48%から54%へと上昇し、強靭なサプライチェーン構築への意識の高まりを示す結果となりました。
 今後も当社グループの調達方針をサプライヤーと共有するとともに、サプライヤーの協力を得て、CSR調達を推進していきます。

深刻な人権侵害が懸念される国および地域を把握し、
 適切な管理を行っているか

自社の姿勢として人権擁護等に配慮しているか


大規模災害発生を想定した、
 原料調達・生産・輸送・購買等の機能を
 含む事業継続計画(以下BCP)を策定しているか

人権デュー・ディリジェンスに対する取組みについて

当社グループは、人権方針の遵守を徹底するとともに、お客さまの要求事項をサプライヤーに展開し、さらにサプライヤーアンケートを通じて人権への取組み状況を把握・共有してきました。
 2024年度もグローバル・コンパクト・ネットワーク・ジャパンのCSR調達セルフ・アセスメント・ツールを用いて、集中購買を行っているサプライヤーを対象にリスクの特定と評価を行いました。
 今後は、下記の人権デュー・ディリジェンスのステップで進めていきます。2024年度に実施し、2025年度も継続予定のステップは青の網掛け箇所となります。2023年度には、救済措置としての人権対応窓口を設置しました。

●人権方針 https://www.nikkeikinholdings.co.jp/csr/human-rights/0402.html

負の影響の特定・評価を目的とし、2024年度においても追加でCSR調達セルフ・アセスメント・ツールの回答を依頼し、リスクの特定を行いました。昨年度調査を行ったサプライヤーとあわせ、本店集中購買における購買額の80%を占める企業となります。
 情報セキュリティや品質・安全性、労働項目に関しては高い評価スコアを得ており、多くのサプライヤーで適切な管理体制が確認されました。一方、人権項目の平均スコアは高いものの、「地域社会または先住民に対する配慮」では、一部のサプライヤーが改善の必要性を感じていると回答していました。この結果は、多くのサプライヤーの事業や販売品目が地域社会や先住民に直接的な影響を及ぼす性質のものではなく、そのために当該項目への意識が十分に高まっていなかったことによるものと考えられます。地域社会との共生の項目では、平均スコアが比較的低く、調査対象にしたサプライヤーは工業地帯に立地する場合が多く、地域社会への貢献が現状では十分ではないとの結果が示されています。これらの問題点については、サプライヤーに対する啓発活動を進めるとともに、管理体制をより強化していく必要があります。
 2025年8月には、当社グループ27社の購買担当者が一堂に会する購買担当者会議において、本アンケートの実施依頼をグループ全体へアナウンスし、啓発活動を開始しました。KPI目標として、2030年度までに本アンケート回答依頼の対象企業を、各事業所購買も含めたグループ全体における購買額の80%まで拡大し、人権に配慮した調達を推進していきます。

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