日本軽金属ホールディングス株式会社

2018年度 社外取締役インタビュー

「チーム日軽金」をさらに進めるため、会社や事業の垣根を越えた人財交流を!

Q1.一昨年度より社外役員にグループ各社の工場などの事業視察をしていただいておりますが、現場をご覧になったご感想をお聞かせください。

 どの工場も全て印象に残っています。この取組みは大変良いものだと思っています。現場では常識となっていることも、役員にとっては実際に現場を見ないとわからないことはたくさんあります。現場を見ることで、取締役会に出てきている資料やプレゼンの内容からは見えなかったことを自分なりに発見できます。また、現場で働いている方の目の輝きを見て、工場に活気があるかなどもわかります。自分の目で現場を見ることで、資料だけでは誤解してしまうことを防ぐことができるので、ガバナンスの実効性を向上させる取組みになっていると思います。

Q2.日軽金HD取締役会についてご意見をお聞かせください。

 日軽金HDの取締役会はとてもオープンだと思います。私の経験では、社長以外は誰も何も発言しない取締役会も他社ではめずら しくありません。私は、社外取締役としての役割は、今までの経験を踏まえて、業務が適正な方向に執行されるように提言することだ と考えています。それには取締役会がオープンな場でなくてはなりません。その点では、日軽金HDの取締役会は決議事項だけではな く、さまざまなテーマについて討議する機会もあります。そこでは多種多様な業歴・経験をお持ちの社外取締役の方々が、色々な切 り口・角度から自分の考えを遠慮なく発言なさっています。今後ともこのようなオープンな取締役会を継続していくことが肝要だと思 っています。

Q3.日軽金HDのガバナンスの課題についてお聞かせください。

 全般的にはうまく機能していると思います。ガバナンスが適切に機能しているからこそ、業績もここまで上がってきたのだと思います。そこでもう一歩進んだらもっと良いのでは、と感じていることがあります。日軽金グループが掲げている「チーム日軽金」や「横串活動」をさらに深化させるために、人財活用にもっと力を入れてはどうでしょうか? グループ内の会社や事業部の垣根を越えて人財交流するという点は、現状ではまだ不十分ではないのかと感じています。優秀な人財は自分の所に囲い込んでおきたいと思うのは当たり前のことでしょうが、その壁を乗り越えなければなりません。その一助として、社外の人も加えた人事委員会のような組織を設置したらどうでしょうか。優秀な人財を積極的にグループ内で交流させ、お互いに育てていくような制度・仕組みをつくる必要があるのでは、と考えています。そうして初めて「チーム日軽金」や「横串活動」を実現できると思います。

Q4.未来を担う若い人へメッセージをお願いいたします。

 若い世代の人たちに望みたいことは、若いうちに失敗の経験をたくさんしてください、ということです。失敗を経験することで学ぶことはたくさんあります。その経験から失敗の原因・対処の仕方を学ぶだけでなく、失敗した人の気持ちも分かるようになります。それはいずれ管理職の立場になり部下や同僚が失敗した時に適切なケアをする一助になるでしょう。もう一つは、与えられた仕事には失敗を恐れずベストを尽くすことです。上司には自分の意見を忌憚なく言ってみるよう心掛けましょう。決めるのは上司ですが、会社にとって正しいことでも言わなければ分かってもらえません。仕事から逃げず、仕事を愛し、ひとつひとつの仕事を懸命にこなし ていくことが肝心だと思います。そうした皆さん各々の仕事に向かう姿勢が積み重なって、会社は成長するものだと思います。人は 偶然で生まれていつの日か死ぬのが必然ですが、生きている今をどのような心構えで大切に過ごすべきかと常に考えていていただ きたいと願っています。

社外取締役 林 良一さん
聞き手:日本軽金属㈱人事部 小笠原 真由さん

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